●2000年6月24日:
「演劇ぶっく2000年8月号臨時増刊 ピクトアップ#5」
ドリキャスが占う[地元商店街の情報化]
ささはた商店街の野望とセガの親会社・CSKの思惑
Pict Up!
 従来のゲーム機という位置づけから、よりネットワーク端末という側面を強く打ち出そうとしているドリームキャスト。そりゃー世の中、IT流行り。乗り遅れるわけにはいかないさ。
でもね、「はたしてセガよ!大丈夫?」とちょっと思ったその矢先、【CSKグループ、商店街に100台のドリームキャストを提供】のニュース。一体何の事やら。お惣菜屋のおばちゃんとゲーム機。あれ?まるでプレステのCMにでも出てきそうな風景ではないか。


 ■泥臭さかろうがこいつが一番効果的
 ん、CSKとは何者?=セガの親会社。今までは企業相手の情報サービスビジネスをしてきた会社。パソコンやネット環境が家庭にも普及するにつけ、これからは消費者直結の情報ビジネスをする時代→ならばこれだけ家庭に普及しているゲーム機を使わない手はない!ドリキャスを使って実地検証してみよう→次世代家庭向け端末開発のためのネタを集めよう、って三段論法のCSK。で、商店街ドリキャス100台ご提供。地域・家庭の情報化支援システムの開発をもくろむ。

 CSKの担当者、小林氏・古根村氏曰く「企業向け頭でっかちビジネスノウハウをそのまま地域家庭に持ち込んでも、無論通用するはずもない・・・・・・。」企業プレゼンのような格好良さで押し切る説得力は商店街には通じない。

「例えば宣伝ひとつにしても、ビルの壁面テレビを使えばいい、は成り立たない。むしろ泥臭いやり方=立て看板やポスターがずっと効果的で経済的だったりする」目から鱗の体験の日々。経験値は確実に増すとはいえ、不景気風吹く世知辛い世の中。研究開発って目先の利益とは容易には結びつかないのが辛いところ。懐の深い会社って少ないのよね、実際。


 ■商店街がセガ・CSKにもたらすものとは?
 その実地検証の実際のとこを見に、ささはた10商店街のひとつ、西原商店街へ。どっこい、そりゃまだ早かった・・・。うかがったのは、5月の下旬、ドリキャス100台がやって来てから1ヶ月弱。ようやくネット接続ユーザー登録を終えたかな、という段階。皆さんおっしゃるには、まだまだ操作に馴れるのがやっとの段階。商売人は時間もないのよ、ってことでネットがどーの、Eコマースがこーの、というお話をお聞きするにはちと気が早すぎた。うーむ、戸惑いが見え隠れするってのが実感かな。

 でもね、ちょっとおもしろい話があるんだ。というのは、ネットワークがもたらす縁。恥ずかしがり屋の日本人、少しだけ積極的になれたりするらしい。ネット掲示板で『お店にいる猫を見ると幸せな気分になります。名前を教えてください』との質問に、八百屋のご主人レスを返したところ、書き込んだご本人が次の日来てくれて『この猫、チビっていうんですね』、『!!ひょっとして○○(ハンドルネーム)さん?』・・・・・・といったお店とお客さんとの交流のきっかけを生んでいたりもする。「掲示板に書いてくれても、実際声をかけてくれるのはほんの一部で、ニコニコとした視線を投げかけるってほうが多いんですけどね」とは酒屋のよっちゃん。まんざら悪くもないらしい。

 『あそこの店のおばちゃん、顔を覚えてくれてんだよね』ってことが案外嬉しい地元商店街。地域・家庭の情報支援システムだとかITビジネスとか難しい言葉を並べてみても、人情でしょう!やっぱ決め手は…。そこんとこセガ・CSKグループのみなさん、ヨロシク!


 ■ささはたドッとこむ
 東京は渋谷区の笹塚・幡ヶ谷地区の10商店街が合同で去年開設したホームページ。アットホームな各ショップの紹介ページ(取材に協力くださった4店舗はもちろん)や、掲示板(お店のご主人による掲示板も別にあり)など、親しみのわくコンテンツ。なお今回の「ドリキャス100台〜」は、大阪府北千里地区などですでにドリキャスを提供していたCSKに、商店街がリクエストしたのがキッカケ。4月下旬に配布されたばかり。

 ■西原商店街
 京王線(新線)幡ヶ谷駅出口から南へと伸びる商店街。渋谷区にして「シブヤ」っぽいイメージとは正反対の、地元チックなのんびり商店街。
Pict Up!
 ドリキャスの提供を受けた西原商店街の面々。左より手打ちそば濱のの奥さん、升本酒店の二代目・吉本卓司さん、中山青果店のご主人、来々軒のご主人。吉本さんがインターネット指導係。現在学習中のお三方はそろって「息子(or娘)がいじってるよ」

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